フェムトセカンド #七味とーがラジオ / @melonsode

The Destination is unknown. The Journey is the Reward.
Author: 野澤真一 / NOZAWA Shinichi , version 2.0220330 / Podcast: 七味とーがラジオ / twitter: @melonsode

傷を癒す方法を知っている

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車に乗って走っていると、
風景が記憶の房を揺らす。

最近は忙しさにもなれてきたので、ふいに思いをめぐらせたりする。

会社の車に乗って会社の周辺を走っていると、
当然呼び覚まされる記憶は親父と一緒に仕事をしたときの記憶で、
断片的な映像が目に浮かぶ。

よく考えたら、なんでオレはこんなに仕事ができるんだろう?
親父の息子だから、親父の姿を見て育っているから当然かなとか思っていたけど、
急に忘れていたことを思い出した。
大学一年の春休み、毎日のように会社で手伝いをしていたんだった。
そうやって、親父の横で一緒に仕事をしていたから
ぽっと会社に入っただけで仕事をすることができるんだ。

あの頃、人生における「大いなる破綻」を経験していて、
とても深刻な状態に陥っていた。
大好きだったひとたちをねじ切るように裏切ってしまって、逃げ出してきたときだった。
それでもう、何もかもを放り出して閉じこもった。

そんな時期に、何もできない時にやっていたのが、
親父の仕事を手伝うことだった。

具体的な仕事は、心の痛みを消してくれる。
黙々とボンベを転がす動作は、
考える事を忘れさせてくれる。
トラックを運転している間は、流れる景色だけ見ている。

そうやって会社の日常業務の一部を親父と一緒にやっていて、
慣れてきたら一人でやっていた。
そうやって過ごした二ヶ月があって、
確かそのあとの大学二年の夏休みもそうやって過ごしたんだと思う。

そうやって、仕事をして過ごした日々が、
欝でふさぎこんでどうしようもなくて、
自分にまったく自信をもてない状態を回復してくれた。

その当時のことを、ちょいちょい思い出す。
そのたびに祈るような気持ちになる。
あの頃があって、いまの自分がある。

ビリヤードの球が衝突して、
衝突された球は同じ速度で動いていって、
衝突した球が代わりにその場にとどまるように、
親父とオレの立場は入れ替わった。

オレが親父と一緒に仕事をして癒されたように、
自分が誰かのことを癒す番が来たらいいなと思う。
それはきっと、癒す方にとっても癒しになるんじゃないかと思う。

どうしようもなく傷付いた人は僕のところに来て下さい。
一緒に仕事をしましょう。
きっと楽しい。

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