日本認知言語学会 第5回大会
茂木健一郎 「鏡」から「コンティンジェンシー」ヘ:
言語の認知プロセスについての考察
(talk 80分、質疑応答 30分)
関西大学(千里山キャンパス)
MP3, 46.7MB, 分
予稿も読むことができます。
http://www.qualia-manifesto.com/2004jcla.html
クオリア日記より抜粋:
認知言語学会では、自分の話はさておき、
辻幸夫先生や池上嘉彦先生といろいろ議論できたの
が大変しみじみと嬉しかった。
話を終えて、
京都への新快速に乗りながら考えた。
辻さんにせよ、池上さんにせよ、
立派な学者というものはある姿をしている。
イギリスでは、オックスフォードを出た
人間は世界は自分のものだと思い、
ケンブリッジを出た人間は、世界が誰のものでも
構わないと思う、というジョークがある。
ITやベンチャーだ、プロ野球のオーナーだ
と言っている人たちはきっと世界が自分のものだと
思いたいのだろう。
立派な学者の姿は、そのような心の働きとは
別の、ディタッチメントの気配に満ちている。
所有することよりも、理解することの喜びに
一生を捧げる人たちの姿である。
クオリアの起源と同じくらい、言語の起源も
むろん難しいのであって、そのような掛け値なし
の難問題に無私の精神をもって取り組む道は
美しい。