佐藤雅彦 × 茂木健一郎 対談

2005年08月12日 | クオリア日記の該当記事 | このファイルに関連するクオリア日記の記事

佐藤雅彦 × 茂木健一郎 対談

日 時: 8月12日(金) 6:30−8pm
会 場: DNP銀座ビル5階  要予約  先着70名
出 演: 茂木健一郎(脳科学者)+佐藤雅彦

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銀座ギャラリー ggg
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クオリア日記より抜粋
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人生、小さく前にならえ

 「交詢社通り」というのは、
以前からもっとも銀座らしくて胸が
ときめく名前だと思っていたが、
 調べると福澤諭吉が中心となって
結成されたクラブらしい。

 その交詢社通りにある
 gggで、まずは佐藤雅彦研究室
展を見て、
 それから、講演会場がどこか
判らなかったので、
 ビルの外に立って呆然としていると、
吉村栄一さんがやってきた。
 しばらくして、桑原茂一さんも
いらした。

 やっとどこか判ってエレベータで
上る。

 対談始まる。
 佐藤雅彦さんが、過去のご自身の
様々な作品を見せて下さり、 
 私がそれについて思いついた
ことを喋る、というスタイルで
 進んだ。

 途中で、ははあ、と思った。
 佐藤雅彦さんにとって、オノマトペ
的なものとか、
 リズムとか、繰り返しとか、スタイルとか、
ああいうものは、生命の衝動を
封じ込め、方向づける呪術のような
 ものではないか。

 アルゴリズム行進にしても、
ドンタコスにしても、
 本来どのような方向にも行きうる
生命というものが、
 ある特定の規矩に従うという
ところに立ち現れる快感、
 エフェクトをねらっている。

 アルゴリズム行進などは、機械的に
動くロボットがやれば後ろのヒトとぶつからないで
完璧に出来るが、 
 どうなるか判らない人間がやるからこそ
面白い。

 佐藤さんの作品は、特に近年、
初等義務教育的なメタファーを強めているが、
 考えて見れば小学校の教育とは、なかんずく、
本来どっちの方向にいくか判らない無定型な
子供たちの生の衝動を方向付け、秩序づけ、
 整理するところに立ち現れる何か
なのではないか。

 対談中、テレビマンユニオンの花野剛一
さんがハンターのようにずっとカメラを
構えていた。

 「前にならえ」とか、「小さく前にならえ」
とか、
 ああいうの、大人になった今から考えると
ヘンですよね。
 gggの今津鎖子さんが見つけて下さった
素敵な京料理の店で、佐藤さんとそのような話を
続けた。
 最後は、佐藤さんと桑原さん、そして私で
誰が一番「ヘンタイ」かという議論になった。

 佐藤雅彦さんは、「前にならえ」
も「小さく前にならえ」も大好きだそうである。
 人生、すべからく小さく前にならえ、で行きたい。
 先頭のヒトが腰に手をあててakimboをやるのも
面白い。
 ロボットじゃなくて、人間がそれを
やると、そこから必ず生命が吹き出していく。

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