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[クオリア日記より抜粋]
立ち上がれ
上野の森美術館で、
Uprise展をやっている
芸大彫刻科の石井琢郎、
小俣英彦、今野健太の3人と、
上野の森美術館、学芸員の
坂本暁美さんと座談会をした。
その時にも言ったが、
近来にないすがすがしい気分になった。
これから世に出ようといろいろ
模索している時にあらわれる
「あわい」のような気分が何とも言えない。
石井くんがずいぶん真剣にいろいろな
ことを考えていることは伝わってきたし、
小俣くんが、あえて言葉にしない
領域に託そうとしていることは
わかった。
今野くんの技術的なディテールへの
こだわりにも共感できた。
人間、「どうなるか判らない」という
偶有性を失った時に、「終わってしまう」
のであって、
ルビコン川を渡り続けなければならない
のである。
石井くんは、展覧会のwebpageに、
「現在の日本の状況を我々若い世代が生きながらに感じていること
は、表現の場というものがかなり限定されてきていて、過去の世代か
らの流れしか存在しないかのように見えることです」
と書いている。
だからこそのuprise(蜂起)なのだろうけど、
そういう気持ちを持つことは
何事かを達成するための十分条件では
ないにしても、必要条件ではあると
思う。
そんな石井くんたちの気配が伝わってきたから、
すがすがしい気分になれたのだと思う。
立ち上がれ。
それで、結局ダメでも、いいじゃないか。