月光だけを使った写真で知られる
写真家の石川賢治さんをお招きしました。
東京芸術大学 美術解剖学 講義
石川賢治
2006-10-30
東京芸術大学 上野校地 美術学部 中央棟 第3講義室(2F)
MP3, 72.8MB, 79分
[クオリア日記より抜粋]
時の流れをポトラッチする
moonstruckという言葉がある。
Dazed or distracted with romantic sentiment.
という意味。
偶然撮影してみた月下の花の写真が
鮮やかな色を呈していることに驚愕し、
「月光写真」というライフワークに出会った
石川賢治さん。
石川さんに、東京芸術大学の「美術解剖学」
の授業に来ていただいた。
静かに、年経た樫の木のように語り出す。
コマーシャル・フォトグラファーとして
大成功し、
経済的にも恵まれ、「プロの写真家になる」
という夢を果たした石川さん。
その人生の絶頂に、転機を迎える。
仕事で訪れたハワイで、月光で撮る写真の
可能性に出会い、これが生涯の仕事と
思い定める。
物質的な豊かさの後に訪れた、
「四門出遊」のごとき覚醒。
まさに石川さんは、月に打たれたのだ。
そして、何ものかの伝道師となる。
授業を終え、皆でそぞろ歩きをする。
上野公園のいつもの場所。
見上げると半月。
植田工と蓮沼昌宏が買い出しの袋を持って
かけつける。
石川さんがプリントを取り出し、
学生たちが石川さんを囲む。