=================
クオリア日記より抜粋
キャンパスを闊歩して
トンネルを抜けて、新潟平野に
出ると、ぱっと開けて明るく
なるのでいつも印象付けられる。
「新潟大学医学部へお願いします」
というと走り出した。
くるっと回って、
ぐっと入って、停まったら、
そこに、呼んでくれた
岩村憲クンがいた。
「あれ、なんでここにいるんだ?」
というと、
「茂木さんを待っていたんですよ〜」
と岩村が言う。
「なんで、ここにタクシーが
停まるってわかったんだ?」
「だいたいここだろうと思って、
張っていたんですよ」
そうかそうか。
ボクは、新幹線の中で忙しく
働いていた。
まずは原稿を仕上げ、それから、
一つ今日はたっぷり「クオリア」
の本格的な話をしてやろうと
思ってパワーポイントを用意していた。
「それでさあ、岩村さあ、
今日はどんな話をすればいいんだろうか」
「一つ、医学生に、ばーんと医学の
現状についてですねえ」
ありゃりゃ。
会場と、その周囲の雰囲気を見て
観念した。
パワーポイントは使えない。
それでは、人間について
話そうと思った。
質疑応答が面白かった。
何だか、まっすぐだったなあ。